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2015年7月 9日 (木)

カラビニエ 〜 常在旅途上 3 闇に駆ける猟銃

drz400s

 都井睦雄 生家より山ひとつ隔てた阿波という集落にまでやってきました。
阿波は踊りで有名な四国徳島の町とは違って”あば”と読むそうで、日本の里山100選(だったか?)にも選ばれる美しいところです。

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阿波村

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阿波村

3

dr-z400s

 
阿波は都井睦雄の母親の出身地でもあります。
これまで津山事件のバイブルとされてきた筑波昭氏の著作では、都井睦雄と祖母のいねの間に実は血のつながりがなかったことが突き止められてはいませんでした。
 故に都井睦雄の成長過程においての祖母いねの過保護・過干渉に関していまひとつ合理性がないばかりか、進路や進学先についての祖母いねの発言には明らかな矛盾や齟齬があり、さらに決定的だったのは祖母いねが事件の最初の犠牲者となったことに関してとうてい納得のできる理由が提示できていなかったことで、長年なんとなくはぐらかされたようなもやもやした気分であったのを、石川清さんはじめ最近の研究でやっと得心がいくようになりました。

 筑波昭本では恐らくは虚構のエピソードをもって、都井睦雄を優等生から転落した猟奇性・異常性を持った異常人格者に仕立て上げていて、件の文庫本の腰巻きには「その狂気、やむことなし」などと惹句が大書きしてあり、腹立たしいやら脱力するやらで、とりあえず出版元の新潮社には猛省を促します。
 恐らくは筑波昭本で語られる都井睦雄像こそがもっとも一般大衆にウケのいい
、万人にとって最もわかりやすい通俗的・大衆的な都井睦雄像であり、事件の横顔でもあるのでしょう。

 嗚呼、だがしかし私たちは角川映画第一作「犬神家の一族」(1976年)によって、あまねくすべての人は被害者であり加害者、加害者であって被害者であるという、この世の一面の真実を学んだではないですか。

 私はまだ未確認ではありますが、都井睦雄生家の近くにあるという都井家墓地の都井睦雄の墓標は近くを流れる倉見川の河原からひろってきた石ころだといいます。
 虚構によってつくられてしまったイメージを覆し、少しでも真実に迫ろうとする石川清さんはじめ研究者の方々に頭の下がる思いがします。

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